ガテン系の仕事を探そう

"ガテン系"とは?

ガテン系とは、肉体労働を中心にした技術職や現業職をさす言葉です。土木、建築、運転手、工員、メカニックエンジニアを始め自動車関係、運輸関係、農林業、飲食業、製造業、印刷業、メンテナンス関係など、業種は多岐に渡ります。1991年に創刊されたリクルート社の求人情報誌『ガテン』から、こうした職種を通称で"ガテン系"と呼ぶようになりました。

 

具体的にガテン系とされる職業を見てみましょう。

 

 

建築土木関係ではとび職、大工、土木作業スタッフ、鉄骨工、鍛冶工、鉄筋工、内装工、配管工、左官、墓石工、造園士、測量士、現場監督、電気工、電話通信設備工などがあげられます。

 

 運輸関係、メカニック関係では、倉庫の在庫や商品の管理、ハイヤーやバスなどの運転手、デリバリースタッフ、トラック運転手、バイク便ライダー、トレーラーやタンクローリー、フォークリフトの運転手、セールス運転手、自動車検査員、整備士、自動車板金士、自動車塗装士、農業、花の栽培、漁師、林業、競走馬育成要員などがあげられます。

 

 飲食関係、製造関係、印刷業では、調理師、ソムリエ、パティシエ、パン職人、和菓子職人、機器オペレーター、生産管理、金属加工、溶接、家具職人、CAD・CAMオペレーター、印刷オペレーター、断裁・製本技術者、メッキ工、金型工、石工職人、アクセサリー製造、ガラス製造、杜氏、バーテンダー、ウェイター、ウェイトレスなどがあげられます。

 

 メンテナンス業に関しては、ビルや施設の管理、ボイラー技士、警備、ビル清掃などがあげられ、ほかにもサービス業とされるパチンコスタッフ、ガソリンスタンドスタッフなども広義にはガテン系です。新聞配達、指圧マッサージ師、鍼灸師、理容師、映像スタッフ、イベントスタッフ、インテリアコーディネーター、葬祭スタッフ、柔道整復師、介護福祉士、義肢装具士、スポーツインストラクター、害虫駆除、錠前技師、クリーニング、ハウスクリーニング、食品販売、美術製作スタッフ、潜水士など、いっけんガテン系とは関係なくとも、技術を持った現業職という定義に従えば、これらの仕事もガテン系の中に含まれるといえます。

ガテン系の魅力

 ガテン系の魅力は、若い頃から技術を仕事の現場を通じて学ぶことができ、実地で経験をつめばつむほど技術者として厚遇されていくことです。学歴社会と呼ばれる日本社会で、高等学校卒業でも即戦力としてデビューできる。未経験が問題になりません。

 

 さらに経験をつむことでスキルアップが期待できる。ガテン系のなかには、経験や技術が問われないものも多々あります。しかし将来の転職を考慮に入れておく場合には、仕事を通じて身に着けた経験やスキルは、のちに活きてきます。

 

そしてやりがいです。

ガテン系は自分の実績が現場に直接反映します。テクニックエンジニアなら修理や完成度の手ごたえをもてる。調理士なら料理の出来がお客さんを喜ばせることが出来る。工員や建築労働なら生産工場や建築現場で直接モノづくりにタッチできる。仕事と自分が直結しているのです。

 

近年、「ガテン系は男の仕事」というイメージが変わり、職種が多岐に広がり、女性のガテン系進出が目立つのも、こうした理由です。

ガテン系の条件

 ガテン系の仕事は肉体労働を中心にした仕事のため、夏場の建築現場や工場労働など野外での仕事はきついことには変わりありません。

体が資本、これがガテン系の第一条件です。

 

 ガテン系は、ひとつのスキルを磨き上げる職人の仕事である面があります。建設業や庭師、テクニックエンジニアなどは、その道のプロに弟子入りし、技術をひとつひとつ学んでいく。ドライバーやメンテナンス業では、相応の免許や資格が必要になります。長くひとつの仕事に就けば、自分を成長させることが出来る。そして未経験者を教える立場にもなっていきます。

 持続力と学ぶことをおこたらない、これが第二条件です。

 

 どんな仕事であれ、ひとりでできることは限られています。黙々とコンピュータにむかうのとは違い、ガテン系の仕事は共同作業が多く、同僚や先輩後輩との協力なくして大きな仕事には立ち向かえません。人間どうしが集まって肉体を使う以上、ともに働く人間といい関係を築くことはとても重要です。

 仕事仲間を大事にする、これが第三条件です。

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ガテン系の仕事を探すコツ

 より自分にあった、よりいい条件のガテン系の仕事を探すにはどうすればいいのか。かつてはハローワークなどが主流でしたが、現在は求人情報誌、インターネットが便利です。職種別、地域別、条件別に分けて網羅しているものが多く、また、自分の適性を判断するツールがついているホームページもあり、自分に適した仕事探しに役立ちます。また派遣サービスに登録する方法も使えます。自分の条件をあらかじめ絞ることで、派遣サービス会社の持っている情報と照らし合わせることが可能になります。

 

注意すべき点は、ネット情報は便利な分、詳細情報が不十分であることもあります。応募する際には必ず問い合わせて自分の求める条件と照らし合わせ、吟味する必要があります。

 

具体的には"ガテン"という言葉を一般化することになった株式会社リクルートの求人雑誌『ガテン』、そのネット版『ガテンnet』は信頼性が高いといわれています。転職サイトで求人数と人気を誇るのはDODAリクルートエージェントです。

ガテン系就職の注意点と救済策

 ガテン系のみならず、あらゆる職種一般にあてはまりますが、正社員と非正社員(派遣社員・アルバイトを含む)の待遇には大きな違いがあるのが現状です。正社員と同じ労働条件、労働時間にもかかわらず、非正社員は給与、賃金は安く、ボーナスがないところがほとんどです。求人広告と現状が違っているケースも多々あります。世間の景気や労働市場に左右されやすく、会社の事情でいちばん最初にカットされるのが非正社員であるというのも事実です。

 

 ガテン系派遣社員の使い捨てや待遇の悪さなどを連帯して解決していこうというNPO法人が2006年10月に立ち上げられました。『ガテン系連帯』です。行政や各企業に働きかけ、ガテン系派遣や期間工の改善を目指す活動を展開しています。

 

 働き始めて不当な待遇や理不尽な扱いを受けた場合は、NPO法人ガテン系連帯に相談することもひとつの方法です。

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